2013年のアニメあれやこれや
2014年になってしまいました。
今更ですが備忘録のような意味合いも込めて2013年のアニメとか映画を振り返り。
冬スタートの作品の中では「まおゆう」が一番面白かったかな。
ドラクエ等のRPGでお決まりとなった「勇者が魔王を倒して世界を救う」というテンプレをうまくいじって、その後の世界がどのように変容していくのかという現実的な世界の在り方が新鮮でした。
基礎に敷かれた「勇者対魔王のプロット」が、実は主人公たちのイチャラブ以外には大した意味を持っていない……というのが手品の仕掛けのようで、そこを取り除いてしまうと「農業・教育・資本主義・戦争」などのシンプルな世界史の授業のような内容になっているのもいい読後感を生んだ一因になっているのでは。(原作は読んでません)
「たまこまーけっと」はキャラ・作画がね。よかったね。
近年の京アニ作品の中で最も「主人公の内面が感じられない」みたいな評価も聞きましたが、女キャラ陣営の穴のない鉄壁の構えと小野大輔のオネエ、そしてデラちゃんのキャラクターの前にはもうすべてどうでもいいんです。個人的には後続の「Free!」よりも楽しめましたよ。映画にもなるみたいだし。
他には「AKB0048 2期」とか「兵部京介」とか「琴浦さん」とか観てましたが、このとき軽い気持ちで観ていた「ラブライブ!」に後になって鬼ハマりしてしまうとは知る由もなかったのだ。(シャンシャン)
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春に始まった作品でいえば、やっぱり「マジェプリ」「ガルガンティア」「ヴァルヴレイヴ」のロボ3作がよかった。
「マジェプリ」はなんといってもキャラ(パイロット)と機体の個性が魅力的で、物語の構成も「バラバラだった5人が結束してゆく」「さらに結束を強め、敵に立ち向かう」と綺麗な形にまとまっていた。後半のブラック6加入と遺伝子の秘密が明らかになる展開もクライマックスに向けた加速を演出していてgood。
あえて高望みをするならばブラック6とアンジュが完璧すぎた&5人との対立が控え目だったのをもうひと押しして欲しかった。
機体の個性で言えば「ヴァルヴレイヴ」は1期ではお披露目程度になっていたのが残念。物語の方は「神憑き」や「ジャック」といったスパナチュ要素と「世界を暴く」という煽りで期待の高まる1stシーズンだったのだが……!?(笑)
既存のロボアニメとは少し違った印象でスタートした「ガルガンティア」は、出だしでうまく人類銀河同盟の様子を見せてBパートから早々に舞台を移したことで、主要となるガルガンティアでの生活をじっくり描いていたのが素晴らしい。
外骨格、通訳、そして労働力(戦闘力)としてレドとエイミー達の仲立ちをする杉田ロボの存在が物語の展開を象徴していて、その変遷に合わせて彼自身もまた変容していく。それが外見や表情に表れないところがロボらしくもあり、発する機械的な声が独特な機微を隠しているのもまた、ラストのあのセリフを際立たせる魅力だと。
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夏クールの作品はピンとくるものが少なかったので割愛。
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一転して秋は好みの作品が多かった。「境界の彼方」「凪のあすから」「キルラキル」「ガリレイドンナ」「サムライフラメンコ」「夜桜四重奏」「ヴァルヴレイヴ2期」「蒼き鋼のアルペジオ」。
今も放送中のを除いても、このクールは「アルペジオ」一強だったでしょうか。
艦これの影響もあってか始まる前から注目度が高かったが、それをさらに上回る魅力があった。所作にまだ不自然さが残るものの見事に馴染んだ3DCGのキャラ造形に、戦闘シーンの迫力、キャラの魅力も十分に伝わっていました。
原作と違った展開になっていたけど、続きがあれば再アニメ化してほしい作品。
「ヴァルヴレイヴ2期」はちょっと強引すぎる展開と疑問が残るラストで完全に失速。
エルエルフが野望として抱えていた「リーゼロッテとの再会・解放」という結果が彼の性格である計算によってではなく偶然もたらされた、しかも物語上大した意味をもたない「地球偵察」がきっかけというのも強引。(せっかく再会しても宇宙に戻るときに……というのはZガンダムのオマージュかな?)
後日談でショーコが1号機のパイスーを着ていて、おそらく神憑きになったことを示唆しているわけですが、それでは今まで物語の軸になっていた「神憑きと人間の間の溝」が意味を失ってます。
好意的に解釈した場合、1号機のパイロットを引き継ぐ=ハルトの意志を継ぐと考えられるので、彼が共感したエルエルフの理想……つまり異なる種族の共存を実現している(しようとしている)ともとれ、彼女はそのようなことを口にするのですが、人間をやめて神憑き側に行ったショーコはその役割を担う存在じゃないのではという気もします。
ロボット+超能力というのはよくある組み合わせですが、雰囲気が近い「コードギアス」に匹敵するかと勝手な期待をしていただけに、という感じです。
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面白い作品は多かったものの、終わり方がイマイチと感じたものも多かったというのが一年通しての感想でしょうか。
興味深いのは「ガルガンティア」「アルペジオ」のように無機物(あるいはそれに近い存在)が感情を獲得していくという物語。
それ自体はロボットを扱う洋画や日本のアニメでもよくあるストーリーですが、やはりロボットやAIとの親和性が高いということでしょうか。ファフナーのフェストゥム然り、無感情な期間が長いとここぞというシーンで感情を露わにする場面の衝撃もひとしお。